サザンコーストA棟 資料アーカイブver0.90

マンション管理の基礎知識公的な出典で確かめた、マンション管理の一般的な知識

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法律と規約標準管理規約の三つの型は何が違うのか

国土交通省の標準管理規約には、単棟型、団地型、複合用途型の三つの型があります。管理規約の見本として示されているもので、自分のマンションの規約を読むとき、あるいは規約を見直すときに、どの型を手本にした規約なのかを知っておくと、条文の意味を取り違えにくくなります。この記事では、三つの型の違いを、国土交通省が公表している令和7年10月17日改正の標準管理規約(コメントを含む)と、区分所有法の条文で確かめます。標準管理規約はあくまでひな型です。実際の規約は各マンションが決めたものであり、標準と違う定めになっていることも珍しくありません。

三つの型は、対象にするマンションの形が違う

国土交通省のページには、単棟型、団地型、複合用途型のそれぞれについて、規約の本文とコメント(解説)が掲載されています。団地型については令和7年12月10日に一部修正があったと記されています。 単棟型のコメントによれば、この型が対象にするのは、一般分譲の住居専用の単棟型マンションです。店舗併用などの複合用途型マンションと、数棟のマンションがある団地型マンションについては、別にそれぞれの標準管理規約が示されているので、そちらを参考にするとされています。 つまり、三つの型は規約の出来の良し悪しではなく、建物の形によって使い分けるものです。住居だけの一棟なら単棟型、数棟が一つの敷地にあるなら団地型、住戸と店舗が同じ建物にあるなら複合用途型が手本になります。

団地型は、土地を数棟で共有している団地が対象

団地型のコメントによると、対象は、一般分譲の住居専用のマンションが数棟あり、団地内の土地と集会所などの附属施設が、全棟の区分所有者(団地建物所有者)の共有になっている団地です。 区分所有法の第65条も同じ状況を前提にしています。一団地内に数棟の建物があり、その土地や附属施設が各棟の所有者の共有になっている場合、所有者は全員で、土地、附属施設、専有部分のある建物の管理を行う団体をつくり、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができます。ここで確かめた条文は、令和8年4月1日に施行された改正を含む版です。 団地型のコメントは、対象にする形を限っています。団地内の建物がすべて区分所有建物であること、建物の敷地が団地内の建物の所有者の共有であること、団地全体の管理規約があること、の三つを満たす団地です。これに対し、土地の共有関係が棟ごとに分かれていて、集会所などの附属施設だけが全棟の共有という形は、団地型の対象にしていません。その場合は、各棟が単棟型を手本に自分の規約をつくり、全棟共有の附属施設についてだけ全棟で規約を定めることになります。

団地型では、団地全体で決めることと棟ごとに決めることが分かれる

団地型の規約は、団地全体を一つの管理組合で一元的に管理する前提で書かれています。コメントも、棟ごとの管理は特に規定していないと述べています。ただし、区分所有法が棟ごとに適用するとしている事項は、棟ごとの集会で決めます。コメントがその例として挙げているのは、義務違反者に対する措置、建物が一部滅失したときの復旧、一棟ごとのマンション再生(建替え、建物の更新、取壊し)です。 規約の条文で見ると、第44条の団地総会は総組合員で構成されます。第50条が団地総会の決議事項を並べており、規約の変更、役員の選任、予算と決算、長期修繕計画の作成や変更などが入っています。区分所有法第69条の建替えの承認や、第70条の一括建替えも、団地総会の決議事項です。 一方、第68条の棟総会は、団地内の棟ごとに、その棟の区分所有者全員で構成されます。第72条の決議事項には、棟の共用部分の復旧や、区分所有法第62条第1項の建替えなどが並んでいます。 お金も、団地全体で持つものと棟ごとに持つものに分かれます。第9条は、土地、団地共用部分、附属施設を団地建物所有者の共有、棟の共用部分をその棟の区分所有者の共有としています。第25条は、納めるお金を管理費、団地修繕積立金、各棟修繕積立金に分けています。団地修繕積立金は土地の共有持分に応じ、各棟修繕積立金は棟の共用部分の共有持分に応じて額を出します。第30条は、各棟修繕積立金を棟ごとに分けて経理するよう定めています。自分の棟の積立金が他の棟の工事に使われない仕組みは、この区分経理が支えています。 区分所有法には、団地全体で棟の管理まで行いたい場合の規定もあります。第68条は、団地内の専有部分のある建物を団地の規約で管理する対象にするとき、各棟の集会で区分所有者と議決権の各4分の3以上の決議を求めています。

複合用途型は、住宅と店舗の費用を分ける

複合用途型のコメントが対象にするのは、一般分譲の住居と店舗が併用された単棟型マンションです。形としては、低層階に店舗があり、上の階が住宅という、住宅が主体のものを想定しています。大規模な再開発による複合用途の建物は、住宅部分と店舗部分の独立性が強く、個別の事情も大きいため、実態に合わせて個別に対応するよう求めています。 店舗や事務所が入っていても、その割合が小さく、住宅だけが使う共用部分も店舗だけが使う共用部分もない場合は、必ずしも複合用途型を使う必要はなく、単棟型か団地型を参考にしてよいとされています。 複合用途型の規約では、専有部分が住戸部分と店舗部分に分かれます(第7条)。共用部分は、全体共用部分、住宅一部共用部分、店舗一部共用部分の三つに分けられます(第8条)。住宅一部共用部分は住戸の区分所有者だけが使うことが明らかな部分、店舗一部共用部分は店舗の区分所有者だけが使うことが明らかな部分です。 費用の負担もこの区分に沿います(第25条と第26条)。全体共用部分の費用は、まず住戸部分のために必要な費用と店舗部分のために必要な費用を按分し、そのうえで各区分所有者の持分に応じて負担します。一部共用部分の費用は、住宅の区分所有者は住宅一部管理費と住宅一部修繕積立金を、店舗の区分所有者は店舗一部管理費と店舗一部修繕積立金を納めます。第32条は、全体管理費、住宅一部管理費、店舗一部管理費、全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金、店舗一部修繕積立金の六つを区分して経理するよう定めています。第60条には、住宅部会と店舗部会を置く定めもあります。

一つのマンションが複数の型にまたがるとき

団地型のコメントは、団地内の棟に店舗併用などの複合用途がある場合や、事務所や店舗専用の区分所有建物が団地内にある場合を、別に考える必要があるとしています。複合用途型のコメントも、複合用途の建物が数棟ある団地は別途考えるとしています。標準管理規約は、三つの型を組み合わせた規約までは示していません。こうした団地やマンションでは、どの型を手本にしてどこを変えたのかが、その規約の読み方を決めます。

考えるための問い

  • 自分のマンションの管理規約は、三つの型のうちどれを手本にしていそうか。規約の目的や定義の条と、費用の負担を定めた条を読んで確かめてみるとどうなるか。
  • 団地型に近い規約の場合、団地全体で決める事項と棟ごとに決める事項は、規約のどの条で分けられているか。棟ごとにためる積立金はあるか。
  • 住宅のほかに店舗や事務所がある場合、その費用は規約上どう分けられているか。不明な点があれば、誰に、どの場で尋ねればよいか。

出典